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2021.06.28  おかえりモネの森

ウッドデザイン賞受賞。学童机

『おかえりモネ』の第5週「勉強はじめました」では、40年かけて育てた杉がたった1,600円にしかならないこと、需要の少ない広葉樹は質が高くても買い手がつかずにチップになってしまうことなど、林業の抱える悩みが多く語られました。そんな中、商品開発担当となった百音が発案した「学童机」が、サヤカさんのいう「ブレイクスルー」を生みました。森林組合の仲間や、林業家さん、木工職人さん、さらには引退した職人さんたちの力を借り、試行錯誤を重ねて完成させた学童机。実はそんな机が、登米市(とめし)の学校で実際に使われているのだそうです。

FSC森林認証材「登米材」を活用した地産地消の学童机

登米町(とよままち)森林組合がつくっているスクールデスク“まなび”は、宮城県登米市産のFSC森林認証材「登米材(とめざい)」を使用しています。広葉樹のナラ材を使用し、一般的なスチール製の机の天板として取り付けられる規格なので、コストを抑えて導入しやすくし、重さも抑えて児童が持ち運びしやすくなっています。

スクールデスク「まなび」

“まなび”の明るく柔らかな木目のナラ材が教室にやさしい雰囲気をもたらすのはもちろんのこと、机などの木材利用や建物の内装の木質化などには、さまざまな意義や効果があると言います。文部科学省資料「こうやって作る木の学校~木材利用の進め方のポイント、工夫事例~」には次のようにまとめられています。

  • 学校施設における木材利用は、子どもたちのストレスを緩和させ、授業での集中力が増す効果がある。
  • 内装が木質化された校舎では、非木質化校に比べて、子どもたちは教室を広々と感じ、校舎内での心地よさや自分の居場所などをより感じて生活していることが伺える。
  • 木材を利用した教室では、インフルエンザの蔓延が抑制される傾向が見られる。

「そんな学校に通いたかった!」と思う人も多いのでは?

逆境を乗り越えてウッドデザイン賞を受賞

スクールデスク“まなび”が誕生した背景には、東日本大震災の影響がありました。原発事故後、しいたけ原木として使用していたコナラが使用できなくなったり、ナラ枯れ被害が拡大たりする中で、広葉樹林の更新が急務となったのです。ただし、ナラ材は乾燥加工が難しい材料でもありました。 ドラマの第25回で、学童机の制作が納期に間に合わないため断念しそうになっていたとき、百音がビニールハウスを活用すれば乾燥期間を短縮できるのでは、と思いつきます。実はこのシステムも「太陽熱木材乾燥庫ToSMS(トスムス)」の名前でちゃんと実在します。

「太陽熱木材乾燥庫ToSMS(トスムス)」

登米町森林組合が災害公営住宅の建設を進めるにあたって、長く住み続けられる木造住宅とするためには使用する木材をしっかりと乾燥する必要がありました。「ToSMS(トスムス)」はその目的に合わせて開発されました。従来の乾燥庫のように灯油などの化石燃料を使うことなく、太陽熱を効率的に利用して大量の木材を乾燥しながら、同時にその場でストックすることもできるというものです。

このシステムを利用した学童机の取り組みと、木造災害公営住宅の取り組みの2件で、登米町森林組合は『ウッドデザイン賞2015(新・木づかい顕彰)』を受賞。“まなび”は2021年3月までに宮城県登米市内の小中学校に約6,200台が採用されています。

地元産材を活用した学童机は各地に広まっているようです。お子さんがいる方はぜひ地元の学校の取り組みを調べてみてください。

取材協力:竹中 雅治(登米町森林組合)

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