五感で楽しみ、癒される。森林セラピー
「わーはっはっは!」。百音と気象キャスターの朝岡、森林組合課長の翔洋、3人の気持ち良さそうな大笑いが森にこだました『おかえりモネ』第4話。この大笑いは「ラフターヨガ」というもので、お腹から声を出して笑うことで体内のストレス物質が減るのだとか。そんなプログラムも取り入れることのできる「森林セラピー」に、今回は注目しました。
「登米ふれあいの森」で心身ともにリフレッシュ
森に足を踏み入れると、緑は目にやさしく、木々や土の香りが漂い、鳥の声やせせらぎが聴こえ、風が頬をなで、まるで五感が解き放たれるように感じます。そして、樹々の息吹や生命力に包まれて、こころもからだも気持ちよくゆるみ、次第に生きる力を取りもどす・・・そのような森が人に及ぼす効果を科学的に解明し、心身の健康に活かそうという試みの一つが「森林セラピー」です。
森林セラピーを楽しめる森は全国各地に60カ所以上ありますが、宮城県内で認定されているのは「登米ふれあいの森」だけです。ここでの森林セラピーに登米町森林組合も取り組んでいます。
セラピーロードと呼ばれる散策路をただ自由に歩くだけでも、リラックスし、ストレスが軽減する効果が。また、『おかえりモネ』第4話の百音と翔洋課長のように、「ガイド」が一緒に歩いて森の魅力を伝えるガイドツアーもあります。ラフターヨガ、ノルディックウォーキングなどのプログラムを組み込むこともできます。
登米ふれあいの森は、仙台から1時間強で行ける距離。セラピーロードは森林公園キャンプ場と隣接しているので、その両方を一緒に楽しめると評判です。
身近な森での森林浴はいかが?
森林セラピーという言葉ができる前から、日本には「森林浴」という言葉がありました。今ではこの森林浴が「Shinrin-yoku」として海外でもブームとなっているほどです。呼び方は違っても、森が人の心身に与えてくれる良い影響に変わりはありません。最近は、医学的エビデンスも次々と明らかになっています。
たとえば、都会に居る時より森の中に居るほうがストレスホルモンが減少し、交感神経活動が低下して副交感神経活動が亢進してリラックスでき、NK細胞の活性化により免疫機能が高まるなどのエビデンスは、多くの人が知るところとなりました。
withコロナの時代においては、都会の「密」を避けてソーシャルディスタンスのとれる森へ行き、森林浴をしながらストレスから解放され、リラクゼーションを味わい、また、森の中でリモートワークやワーケーションを行うといった人も増えています。
登米ふれあいの森のような森林セラピー基地に行って本格的な森林セラピーを体験するもよし、身近にあるお気に入りの森を散策するのもよし。どんな森であっても、そこに入る前と入った後で自分の何かが変わっていることを感知できるはず。あなたも森を浴びて森に癒されてみませんか。
取材協力:竹中 雅治(登米町森林組合)
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