森を残したい。
森は地球温暖化防止に大切。
森で過ごすと癒される。
いろんな言葉を連ねてみても、森の良さは十分に伝わらなくてもどかしい。
けれど、森で出会う仲間とは言葉がなくても、とっても素敵な時間を共有できるんです。
仲間、それは大人も子どもも、動物も植物も虫も鳥も森自体も全て。
本当は人間以外の生き物たちにもいろいろ聞いてみたいのですが、今のところ人間以外とはお話ができません(もしかしたら近い将来シジュウカラとは話せるようになるかも?!)。そこで、市川市の森を守るシリーズ後編では、私の森林ボランティアの仲間たちに、語っていただきました。
ゴミがいっぱいの森から、森らしい森へ
Sさんは退職されたあと、千葉県や松戸市の森の講座をいくつも受講されました。そして市川市 花と緑のまちづくり財団の「緑と花の市民大学(当時)」を受講されたのをきっかけに、大野町2丁目の斜面林を守る活動を講座の仲間と一緒に始めました。
『始めたばかりの時、この森はゴミがいっぱいで、まずはゴミ片付けから始まったんです。アズマネザサを丁寧に刈ったり、倒木や枯木を片付けたりして、園路も整備して、森らしい森になってきたのは最近のことです。小学生の孫を連れてきたら「市川にこんな森があるんだ~!」って喜んでくれたのが嬉しかったなぁ。』
Sさんと一緒に活動するYさん、ある夏の朝、森に行くと、私たちがイス代わりにしている丸太がごろんごろんとひっくり返されているのを見て「ひどいなぁ、カブトムシ探しかな?まぁ、オレも子どもん時は(森で)悪いことやったもんな~。」とニコニコ。 森の仲間ってこういうところが良いんです。

迷い、学びながら、気持ちの良い森をめざして
Uさんは主婦をしていましたが外で活動したいと森の整備を始め、なんと森林インストラクターの資格まで取得。市民キャンプ場を囲む森のボランティア代表として、近隣の親子を招いて森や昆虫のお話をしてくれています。徳川家康になって市川市を森と水辺を組み入れた街にしたい、という野望をお持ちだとか?!
『森に正解はありません、だから、いつも迷いながら整備しています。この森も最初は鬱蒼としていて荒れていたんですよ。でも間伐したり草刈りしたりと整備を続けたら木漏れ日が差すようになってキンラン、ギンランやヒトリシズカも咲く気持ちの良い森になりました。』

自然が好き、木が好き、楽しいことが大好き!
市川の緑地を知るボランティア体験教室で私と同期のAさんとYさんは、はじめのうちは市川の森のことはあまり知らなかったけれど、自然が好き、木が好き、楽しいことが大好きというキラキラした森仲間。森のことを知れば知るほどワクワクが膨らんで、すっかり森の活動に夢中です。
〈春〉A:「森に咲いてたお花の蜜、吸っちゃった」
Y:「雑草にもおいしいのがいっぱいあるよね」
〈夏〉A:「もう道路はあっつくって!」
Y:「森は涼しいね~」
〈秋〉A:「こないだの落ち葉集め、楽しすぎたね!」
Y:「落ち葉プールにダイブしてたよね~、でももうこんなに葉っぱ落ちてるよ!」
〈冬 〉A:「間伐した木でツリーハウス作ったの」
Y:「え~素敵ね、私は竹林整備で切った竹で竹炭作ってるんだ」
森にいるとこんな楽しいやりとりがいつも聞こえてきます。

でも手際よく落ちていた大きな枝を片付けるAさん(奥)とYさん(手前)
遊びと学びと。子どもの時以上に楽しい森活
まだ30代のKさんは花と緑のまちづくり財団で働きながら、ものすごいパワーで森にのめりこんでいます。森の木々のために木に登って活躍する姿は未来少年コナンならぬ市川少年コナランといったところです。
『小さい頃は近所の森で遊んでいましたが、中学高校と森から離れているうちに、いつの間にかその森は宅地になってて、、、この時の寂しい気持ちが今の森の活動につながっています。森活を始めてみたらたくさんの遊びや学びがあって、子どもの時以上に楽しんでいます。都市部の問題は多いですが、僕らがまず森を楽しむことだなって思っています。』

森の楽しみ方は人それぞれ。
ここでは紹介しきれないくらい、森には楽しさが溢れています。
そして、それ以上に楽しい仲間がたくさん集まってきます。
と、書いているうちに森に行きたくなってきました。
さて雨も止んだし、
行ってきま~す!
共同執筆: 市川の森のボランティア仲間
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(伝える人 市川キリ子)
INFORMATION
市川市 花と緑のまちづくり財団HPの「お問い合わせ」よりご連絡をいただくか、 現在8つある「いちかわ森の交流会」ボランティア活動団体に直接ご連絡ください。
https://www.ichikawa-fgud.com/volunteer/green_volunteer/
Forest Styleナビゲーター・プロフィール

市川 キリ子(いちかわ きりこ)
幼少より千葉県市川市に住み、減りゆく自然に心を痛めていたがそれでは何も変わらないと森のボランティア活動を始めたところ、楽しくて仕方がない日々。ぜひたくさんの方に知っていただきたくSNSなどで発信をしています。
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