身近な場所に、居心地の良い森があったら…と考えたことはありませんか?
「緑のなかで深呼吸したい…」と。
都会で暮らしていると、近くに人工的な公園はあっても、鳥や虫が暮らす自然の森はない、と思い込んでいるかもしれません。
実は、東京のすぐ隣にあるベッドタウン市川市にそんな自然の森が残っていることを私は知りました。
そこで今回ご紹介するのは、そんな千葉県市川市内で活動している「いちかわ森の交流会」の活動です。
なんと市川市の森林率は、市の面積のうちたったの2パーセント。このボランティア活動は、市川市の貴重な森を守りたいという思いで森を保全し、地域の人に身近な自然の中で楽しい時間を過ごしてもらい、森を訪れる人を増やしていこうという思いで続けられています。
ボランティア活動だけでなく、地域の人に向けたイベント開催も
森のボランティア活動は、初心者向けから中級者向けのものまでさまざまです。
はじめての人は森のゴミ拾いやカマを使った下草刈り。徐々に慣れてきたらベテランのボランティアさんから機械の使い方を教えてもらって、危ない枝を落としたり枯れた木の伐倒にも挑戦可能。整備で得られた材料で木工細工をつくり、市民まつりでの販売もしています。
市川市民だけでなく、近隣の船橋市や柏市からも、会社員、学生、定年退職後の方までさまざまな方たちが一緒に汗を流しています。
時には、ボランティア活動だけでなく、子どもや親子で楽しめる森のイベントも開催しています。
森のボランティアに参加したきっかけは人それぞれですが、老後の楽しみという方、自然の中ですごしたいという方や、リースづくりなどの木工を楽しみたいという方などいろいろいらっしゃいます。
私は家の近くを散歩していたときに、偶然見かけたボランティア活動の掲示板がきっかけでした。普段から市川市内の森林率が減ってきていることに危機感を抱いていたこともあり、ボランティア活動に参加しました。
実際に森のボランティアに参加してみると、活動されている方たちが市川の歴史や自然についてとてもよく学び、ご存知だということに驚きました。それに現在8つある活動団体の皆さんが仲良く協力・交流していて、大変元気で明るく、とても力持ちで優しいのです。
私が作業もせずにフラリフラリと花や葉っぱを観察したり、木の実を拾ったり、アゲハ蝶やカブトムシをおいかけたり、写真を撮って歩いていたりしていても、いつも温かく見守ってくださっています。
森を守る「ちから」と「やさしさ」
市川市の森のボランティア活動を通して知ったのは、森を守るにはみんなの「ちから」と「やさしさ」が原動力になること。
重い丸太を切ったり運んだり、森の斜面に杭を打ったりするには、たくさんの方の「ちから」が必要です。
そして鳥や虫が生きる場所を残し、子どもたちに自然で遊ぶ楽しみを残してゆくには他の人や自然を思いやる「やさしさ」が大切だと思っています。
未来に森を残す最初の一歩を一緒に踏み出しませんか。
「人も森も深く呼吸をする」そんな市川市の森にぜひ遊びに来てください。
共同執筆: Forest Styleナビゲーター養成講座第3期メンバー
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(伝える人 市川キリ子)
INFORMATION
市川市 花と緑のまちづくり財団HPの「お問い合わせ」よりご連絡をいただくか、 現在8つある「いちかわ森の交流会」ボランティア活動団体に直接ご連絡ください。
https://www.ichikawa-fgud.com/volunteer/green_volunteer/
Forest Styleナビゲーター・プロフィール
市川 キリ子(いちかわ きりこ)
幼少より千葉県市川市に住み、減りゆく自然に心を痛めていたがそれでは何も変わらないと森のボランティア活動を始めたところ、楽しくて仕方がない日々。ぜひたくさんの方に知っていただきたくSNSなどで発信をしています。