森に入ると、虫や鳥の声がして緑の葉っぱがゆれています。
奥へ進んでいくと川のせせらぎの音。川の石をめくると、そこには見たこともない生きものが。思わず追いかけて服はびしょぬれ…だけど気持ちいい~!
普段はなかなか見られないきれいな景色に大人はいやされ、珍しい生きものとの出会いで子どもたちはテンションアップ!
ここ、「高尾(たかお)100年の森」は、親子でいっしょにリフレッシュできる森です。新宿から1時間もかからずにこのような豊かな生きものたちに出会えるのです。
たとえばこの森ではキラキラした生きものをみることができます。日に照らされてかがやく姿は森の宝石のよう。

ハンミョウ。すばしっこいけれど、よく見ると色とりどりな模様をしている。

ムラサキシジミ。はねを開くとわかる、キラキラした青紫色。
また、人が木を切ったり草を刈ったりして手入れをしたことで、陽当たりの良い場所を好む植物などが少しずつ増えていて、木々の間には、街中ではあまり見かけない花が咲いているのを目にすることも。

ホタルブクロの花。面白い形をした花でかわいらしい。
こうした豊かな生きものや植物に出会えるだけでなく、この森では、たくさんの遊びが体験できます。

【森の散策】森にくわしい人が生き物の話を教えてくれるよ。どんな生き物が見つかるかな?

【生きものさがし】アスファルトとは違う土の感覚がおもしろい。何かいるかな?

落ち葉をかき分けて…種子が混ざった動物のフンを見つけた!動物はここで生活しているんだね。

【クラフト体験】森のめぐみでつくるクリスマスリース。見て、かいで、さわって。 季節ごとに森の恵みを感じられるワークショップも楽しみの一つ。

【焚火でランチ】森の中で食べるランチは最高!できたてのマシュマロはとろけていて、とっても甘い!
そのほかにも、みんなで焚火ごはんやピザを作って食べる体験の機会もあり、周りの仲間たちと一体感が生まれるのも、また楽しい!

【保全活動】大学生たちが森を整備中。道のないところでもどんどん入っていきます。
そんな体験ができるのが、東京都八王子にある「高尾100年の森」。佐川急便が美しい自然を守りたいと、保全活動を進める森です。

森の全体図。東京ドーム10.5個分の広さがあります。(出展:佐川急便 高尾100年の森「高尾100年の森マップ」)
佐川急便は、誰もが聞いたことのある運送会社。トラックで荷物を運ぶことで、CO2が出ます。そうすると増えたCO2のせいで、どんどん地球が暖まり、いろいろな環境問題の原因にも。そこで佐川急便では、CO2を吸収してくれる森を守るため、「高尾100年の森プロジェクト」をはじめました。

子どもたちにとって「森の散策・生きものさがし」などの体験を通じて、自然とのつながりを感じられる場になればという願いがこめられ、佐川急便や近くに住んでいる方、大学などの学校、専門家、NPOのみなさんで森を管理。健やかで安全な森を目指し、100年という長い目で、地域・ボランティアのみなさんが一緒に森を守る活動に取り組んでいます。
この森では人々のレクリエーションの場として楽しめることによって、保全管理をする理由が生きものだけでなく人のためであるからこそ、モチベーションを持続させることができているのではないかと感じます。そして多くの人に発見という価値を届けています。
あなたもぜひ、「高尾100年の森」に遊びに来てください。また、自身の身近な森へ足を運んでみると面白い発見に出会えるかもしれません。
井上結貴
Forest Styleナビゲーター・プロフィール

井上 結貴(いのうえ ゆうき)
大学時代に生き物たちの住処を回復する方法「生物多様性オフセット」を関心を持ち、今は生物多様性を保全する仕事をしながら、千葉県の里山で保全活動にも取り組んでいます。
里山の自然を守りつつ、より多くの生き物や見られなかった貴重種が暮らせる環境を増やしていきたいと思っています。
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