先進事例

キャンプ場を核にした森林活用等と一体となった林業経営

静岡県富士宮市「ふもとっぱら」

この事業について

  • 社有林周辺の農場・施設をオートキャンプ場としてリニューアル。野外フェスの会場として使用することで認知度が向上。
  • 利用者への森林・林業への理解を深めるため、林道・作業道でのマウンテンバイク・セグウェイ等のプログラムを行う他、野外フェス等においては、林業機械の展示や講演会・体験会などを実施して、キャンプ場来訪者への森林・林業の普及啓発も実施。
  • 間伐材の薪の販売、ジビエ肉加工場整備、所有林の木材を使った宿泊施設等の新設・改修等により、林業経営と一体的に事業運営。

特徴 1

林業経営を行う森林を、アウトドア活動に活用

  • 江戸時代から続く専業林家が、木材生産の場としての林業と、アウトドア等の森林空間利用を統合した、総合的な林業経営を行っている。
  • 富士山を背景にした広大な敷地は、イベント開催地としても人気があり、野外フェス、音楽イベント、アウトドアイベント、映画祭などに様々な団体が利用し、さらに「ふもとっぱら」の知名度や集客力を向上させている。
  • 森林整備のための作業路での「セグウェイ体験ツアー」や「マウンテンバイクパーク」は、キャンプ場来訪者を森林に誘う仕掛けとなっている。
  • 野外フェス等においては、林業機械を展示したり、丸太切り体験をしたり、きこりの仕事を紹介するセミナーを開催するなど、林業の普及啓発等の取組も実施。
  • キャンプ場利用者への薪販売、バイオマスボイラーの設置、コテージ等の施設での自社生産木材の活用など、本業である林業とキャンプ場の経営がリンクし、本体事業の収益の向上や林産物の利用拡大に繋げている。
  • 2003年からは、テルモ(株)がふもとっぱら所有林内に「テルモ恵みの森」を設置し、企業のCSRとしての森づくり活動を受け入れている。

特徴 2

木材の需要開拓に向けた取組

  • 「ふもとっぱら」内に、所有林の木材を使った木造在来工法の「コテージ」を建設し、また、「毛無山荘」をリニューアルするなど、木の家に住む体験により木の温もりを感じてもらい、地元の木を使った住宅需要につなげる試みをしている。
  • さらに、自社産木材を使った伝統工法によるトイレ 兼 多目的施設を設置。キャンプ場や野外フェス来場者に、木材・伝統工法の良さを感じてもらうきっかけとしている。
  • 住宅メーカー菊池建設と提携し、大黒柱を選定・伐採するツアーを継続的に開催。