世界遺産・白川郷、地場産ワインで地域おこしを!
「地元のブドウでワインを作ることを目指している。」
そう話されたのは、白川村教育委員会事務局・文化財係として働いていらっしゃる松本継太さん。松本さんの大学時代の指導教官が白川村と縁が深く、白川郷が世界遺産となるタイミングで“文化財修理のプロパー”としてこちらに来て働くことになったのだとか。
通常のお仕事の傍で松本さんが熱中されているのが、地場産ワインの開発。「趣味の中で、ゆるくやっている活動なんですけれど」と “ワイン部”の活動をお話ししてくださりました。
白川郷といえば、秋に行われる歴史あるお祭り・どぶろく祭。五穀豊穰や家内安全、里の平和を山の神様に祈願するために盛大に行われていたそうです。そこでは、古くから受け継がれてきた独特の技法によって1月下旬に神社酒蔵で造りこまれる“どぶろく”が、祭礼時に神酒として人々にも振る舞われるという習わしがありました。
そのような地域の歴史に根ざしたもののみならず、新たな地域の目玉となるお酒作りに奮闘しているのがワイン部です。
5年ほど前から自宅の前の庭で品種を問わずブドウを栽培し始めたという、松本さん。その話を当時の地元の地域おこし協力隊に話すと、そのブドウでワインを作ってみたらどうかという案が出てきたそうです。
現在はこの取り組みに賛同してくれる地域の人を集めて、少しずつワイン作りを進めています。まずは、地域産のブドウを栽培出来るようになることが目標で、実際に近隣地域でブドウを栽培されている方に話を聞きながら進めているのだとか。
少しずつ活動に参加してくれる人数は増え、今では10人を超える組織になりつつあるといいます。今後はワインを作れるようになるほどの実を手に入れるために農耕エリアを拡大し、さらにはワインの味を調整するなどして、地場産ワインを製造し、いずれかは地域の代表的な特産物と言われるようになることを目指していくのだそうです。
「坂本さんのひらせ温泉キャンプサイトで振る舞えたりとか、ふるさと納税の返礼品になったり、ブドウの実をジャムにする副産物も作れたら良いな、なんて。」と今後の展望を明らかにする松本さん。いつか白川村の代表的なお土産の一つに、地場産ブドウのワインの名が挙がることを考えていると、お話を聞いている私までワクワクして来ました。
松本さんをはじめとした白川村の地域の方々が丹精を込めて作られた白川村産のワインを飲める日が、今から待ち遠しくてなりません!
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