静岡県立森林公園・森の家
ネイチャーゲームで、自然を好きになるきっかけ作り
浜松駅から遠鉄電車に揺られること、30分。到着した駅から車を10分ほど走らせて森の中を登って行くと、木組みの大きな柱で支えられた建物が見えてきます。ここは、静岡県立森林公園の森の家です。
アカマツの林に囲まれた、森林公園。その面積は約215ヘクタール、おおよそ東京ドームの46個分にあたります。広大な敷地内には、宿泊研修施設である“森の家”の他にも、長さ150メートルの吊り橋・“空の散歩道”やビジターセンターの“バードピア浜北”、木工作体験が出来る“木工体験館”などがあるのです。
地元の人々の散歩道としても人気を博す森林公園の中の宿泊研修施設・“森の家”では、施設や自然を生かした様々なアクティビティが行われています。今回は浜松ひよっ子シェアリングネイチャーの会のネイチャーゲームインストラクター・鈴木輝久さん(通称・てるさん)に森林公園の自然と、そこで行うアクティビティ・ネイチャーゲームの魅力について伺いました。
ネイチャーゲームとは、その名の通り自然の中でゲームを行うこと。そのゲームが、自然の仕組みや魅力を学ぶ自然体験となることを目標としています。お話しいただいたてるさんは、そのネイチャーゲームのインストラクターとして活動されています。
「ゲームが自然に興味を持つきっかけになり、五感で自然の良さを感じてもらえる。」
それこそがネイチャーゲームの魅力だと話す、てるさん。実際に、私も2種類のゲームを体験させていただきました。
1つ目のゲームはビンゴ。自然の中でプレイするために作られた特製のカードには「ちくちくする葉」や「木の葉のそよぐ音」、「いいにおいのする葉」など、五感で自然を感じるための項目が全部で16個書いてあるのです。あとのルールは、誰しもが知っている通り。見つけたら、その項目をマークし、縦・横・ななめを揃えてビンゴを完成させていくのです。
ビンゴを完成させたい一心で、五感を研ぎ澄まして自然の中を歩き、書かれている項目を探していく。ゲームを楽しみつつ、普段であれば目につかないであろう森の細部まで目を凝らし、新たな発見が多くあったことが印象的です。
2つ目のゲームは宝探し。てるさんから“宝物リスト”を貰い、「なにかトゲトゲしたもの ひとつ」や「だれかの食べたあと ひとつ」などの司令をもとに、自然の中からお宝を探すというもの。
見つけたお宝は持ち帰り、最後に一緒にネイチャーゲームを楽しんだ仲間と共有します。同じ道を歩いたはずなのに私では気づくことが出来なかったお宝の披露に、とても驚いたのを覚えています。
ネイチャーゲームのレパートリーは、約200種類あるのだとか。季節や参加する世代、自然の特徴に合わせて変えていくようです。
「特にここ(森林公園)は本当に森が奥深くて。鳥の鳴き声などの自然を感じることで、自ずと自然を好きになるのでは。」
普段は子どもたちを相手にすることが多いとのこと。てるさんは、子どもたちが自然と触れ合い、自然を好きになるきっかけとしてネイチャーゲームを提案されています。22歳の私が童心に返り夢中になって楽しんだ自然の中での遊びは、きっと子どもたちにとっても楽しくてたまらない遊びのはずです。
遊びながら自然を学ぶこのアクティビティは、誰でも参加しやすいというところも魅力的。自然さえあれば遊ぶことが出来るという気軽さから、地域の公園などでも開催されることがあるようです。
しかし、ここはぜひ、広大な敷地と豊かな自然環境のある静岡県立森林公園でネイチャーゲームを体験していただきたいものです!
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