日々進化中のキャンプサイトから見る、
世界遺産・白川郷の雄大な自然
2021年の春、霊峰白山の麓にある“さくら街道白川郷 ひらせ温泉キャンプサイト”がリニューアル。運営を行う一般社団法人白川村ローカルアームズの代表理事・坂本磨紀さんは「ここの手付かずの自然の魅力を伝えていきたい。」と話します。
リニューアル前は「本当に予約もなくて、近所のおっちゃんが担当するみたいなスタンスだった。」と笑う坂本さん。この地域で生まれ育ち一度は名古屋へ出たものの、再び地元に戻って来ると、この地域に残された雄大な自然の魅力に気づくことが出来たのだとか。
そうして気づいた手付かずの自然をもっと周知させるために、キャンプサイトの運営を始めることになったのだそうです。「目の前にある自然を見に来てもらうために、企画を沢山考えている。」と、キャンプ場の発展への意気込みを話されていました。
そんな坂本さんに、ひらせ温泉キャンプサイトのオススメの時期を伺うと、意外な答えが返ってきました。
「冬が一番魅力的ですね。」
極寒の中でのキャンプ、みなさんは想像出来ますか?雪の上にテントを張るのは難しそうだし、何よりも凍えるような気温の時にキャンプをするなんて、考えてもいませんでした。
冬のひらせ温泉キャンプサイトの魅力。それはズバリ景色にあるといいます。「このモノクロだけの世界が良いかなと。」
ブナの原生林が残る白川村。落葉広葉樹のブナは冬になると葉を落とし、幹や枝をむき出しにするのです。そのブナの色の“黒”と、積雪した雪の“白”が織り成す景色こそ、坂本さんのイチオシの世界なのだとか。
もちろん、四季全てに魅力があるそうです。遅めに来る春や新緑の季節は、青々しい自然からパワーを感じる事が出来る。夏は都会よりも涼しく、快適に過ごしながら、SUPやパックラフトなどのアクティビティを楽しむことが出来る。そして秋には、心地よい風を感じながら、紅葉の景色を堪能する。
四季折々の魅力があることに気づき、うつろいゆく景色を感じたいというリピーターのお客さんも増えているのだとか。「この景色を独り占めしたいと思う常連さんには『これ以上宣伝頑張らないでよ』なんて言われちゃって。」と、嬉しそうに話す坂本さんが印象的でした。
「自分も育っているからなのか、子育てには自然が良いと思う。」
坂本さんご自身は白川村の自然の中で育ち、自然を相手にいつの間にか遊びを生み出していたのだそう。「自然の中で遊んでいると、生きていく力がつくように感じる。」と教育の視点からも自然と触れ合うことの良さを考えていらっしゃいます。
そのようなお考えがあるからこそ、現在はブルーベリーの農園を造園しようと試みるなど、更にアクティビティを増やすことに挑戦していらっしゃるそうです。「こういった試みは雇用も生むから、地域活性にもなる。」と、地域全体を盛り上げていこうとする心意気をも感じました。
これからますます魅力が増えていく、ひらせ温泉キャンプサイト。自然に囲まれたこのキャンプ場で、白川村の四季を感じてみてください!
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